第五十六話「いつかの明日まで、歩き出す」


あの夢はようやく静寂を取り戻した。
やはりあの『改造虚創造実験場』があのおどろおどろしい声の原因だったようで、破棄を命じてあの施設を閉鎖させた後は聞こえて
こなかった。
また、あの何十日か前にやってきた諜報型虚以外に救いを求めてくる虚もまた、未だ現れていなかった。
だがそれはそれでにとっては都合のいいことで、何故ならばまだ自分の力が完全には解析し終わっていないからである。
それさえ終わればすぐにでも聡明な藍染は応用方法を考案し、苦しいと叫ぶ虚を確実に助けてやれるだろうから。繰り返しになるが
この研究期間中に虚がやってきてしまう可能性は零ではないが、今のところはなかったから都合がいいのである。まあもともと、
完全催眠にかけられている土地故に虚に見つかること自体が稀有なのではあるが。藍染はそれを見越して―――つまり、虚がやってくる
可能性など零に等しいが故に、即ち言い換えればの要求をわざわざ叶えてやることなく、面倒ごとをほぼ背負うことなく、未知の力を
解析・研究・応用出来ると踏んで―――に協力してやっているのだろうとは予想がつく。

だがはそれでも良いと、かまわないと思っていた。
それには助けを求めない魂に、助けの押し売りをするほど野暮な性格ではないことが起因している。だが無論、書物で読んで知ったが
虚というものは心を無くした存在―――特に尸魂界に現れる虚はそれがほとんど―――であり、その空虚を埋めるために、果てしない渇望を
満たすために他の魂を無作為に喰らうものらしく、『助けなどいらない』と自ら意思を持っているものなどほぼ皆無に等しいのだという。
なら、助けて欲しいと、苦しみをどうにかして欲しいと思っている虚がせめてこの領域に迷い込んだ時だけは自分の持てる力を全て使い尽くし
てでも救ってあげたいと思うのだ。そしてそれに迷いは無い。破面化した諜報型虚の最期の姿と心が重なった過去が、それの要因だ。

なら、ここにやってこれない虚が少しでも助けてくれと思っていたらどう動くというのか。自ら進んで彼らを助けに行くとでもいうのか。
―――唯一、その点に関しては虚の個人性、いわば虚としての『生きる』証を重要視するが未だ答えを見つけられていない点であった。


「心ここに在らずといった様子だね、

「惣右介・・・・・・」

血液を大量に抜かれて目の前が真っ暗に落ち込んで、少し横になって考えに耽っていたの隣へ、いつの間にか藍染がやってきていた。
だが彼は被験者であるの体調を心配している様子はない。いや、心配しているのは確かだがそれはあくまでもこの後の実験に支障を来たす
かもしれないという点において身体を憂いていた。そんなことを心を読まずとも悟っているは短くすまないとだけ言うと、すぐに寝台から
身を起こす。

「ああ、そう急かなくとも構わない。 身体を休めておきなさい」

「―――え・・・?」

信じられない言葉に一瞬固まる。そしてあの白鷺を殺した夜から何回か沸き起こる甘い期待が再び心中を掠めて、思わず胸が高鳴るのだ。
しかし他人に期待などしてもどうせ裏切られるのが常だという思想は、生まれた時よりあの塔に幽閉されてきたの思考回路には最早少しも
褪せることなく深々と刻まれている。幼い自分が期待して願望をかなえようと何を泣いても、どんなに叫んでも、それで父を、母を、引きとめ
ることは出来ない。伸ばした手を振りほどかれるなら、そのほうがまだましだ。伸ばした手をどこへ伸ばせばいいのかすら分からない恐ろしさを
は知っているから。あまりにも前のこと過ぎて覚えてはいないが、闇雲に伸ばした掌の先で、わけもわからないうちに目の前から去って
いった温度の凍て付くような冷たさを、深淵なる恐ろしさを、無量無辺の虚しさを、そうして核酸に刻んでいる。故に、は丸くなりかけた
瞳に、再び虚無を注ぎ込んだ。
そうするしか、なかった。出来なかった。
そうして、さしてその話題に、真意に触れることなく話を進めた。


「だ、だがな、ここでこうしている間にも救いを求めてやってくる虚がいるかも知れないだろう。 虚のために、一刻も早く―――」

早口になるの言葉を途中で藍染は切った。一体何なんだと思って彼の視線の先、丁度彼の手に握られているものを注視してみると―――
そこにはなにやらまとまった紙束が握られていた。
の眼がハッとして、きらきらと見開かれる。


「ま、まさか・・・!」

「また今更、君は私を一体誰だと思っているんだい。
 ・・・私は、藍染惣右介――――――この世界に逆らおうとしている存在だよ。 世界が定める万象摂理くらい直ちに解析・応用出来なくて
 何が叛逆者だ、笑わせてくれる。
 どんなに屈強な覚悟でも、それだけでは九山八海撃摧することなど出来ない。 それに伴う途方も無い実力と、果てしない器量が無ければな」






【流星之軌跡:第五十六話「いつかの明日まで、歩き出す」】




一方その頃―――十三番隊隊舎はざわついていた。

十三番隊副隊長の除隊により繰り上がった階級の承認処置に負われていることもさることながら、連日続く虚討伐の戦略を練ることにかなりの人員が
さかれていたのだ。特に最近は虚の発生が盛んであり、いくつもの隊に被害が出ている。幸い居住地区にまでは被害が及んでは居ないがそれもこの
原因を潰さない限りはいたちごっこだろう。先日のように再び大虚の大量発生などが重なってしまえばおそらく護廷十三隊全隊出動の事態にまで
発展しかねない。
だがそれだけであればいくら仕事量が増えたといえどさして問題ではない。隊全体がきちんと動いていれば隊長の統括のもとに順調に報告や議案は
交わされ進行するものだ。
が、しかし―――十三番隊は違った。


「ちょちょ・・・ちょっと、な、なんで隊長が隊舎にいるのよっ? 私、てっきりまた病欠なさっているのかとばっかり思ってたけど・・・」

「わ、私もそう思ってたっ。 で、でもあそこにいるのって間違いなく浮竹隊長よね?」

隊首室とは正反対の方向にある道場の端にある、さびれた納屋を指しながら、休憩をもらっていた女性隊士は仲間の隊士に話しかけている。
ひそひそと内緒話をするかのようにして立ち止まっていると、そこにまたも休憩をしていた男性隊士が彼女達に話しかけてきた。

「ああ、なんでも噂話だがよ。 本当は隊長は病欠じゃなくって、なにやら上に楯突いて謹慎くらってるんだとかなんとか・・・らしいぜ」

「ええ!? 上って・・・総隊長?」

「いやいや、何でも・・・中央四十――――――」

「こぉぉぉぅうらぁあッッ!!」

「うわあぁぁ!!??」

井戸端会議をしている隊士たちの後ろからすさまじい怒号が放たれた。三人は大きく肩をびくつかせて後ろを振り返れば、そこには第三席拝命の
書状を筒状に握り締めて構える志波海燕がいた。まさに今すぐにでもこの場を去らねば、それで叩かれそうな剣幕である。


「手前ぇら、もうとっくのとうに業務再開時刻だろう! なかなか俺の交代に来ねぇから来て見れば、こんなところで油売ってやがって。
 皆が迷惑してるんだぞ。 さっさと仕事に戻れ!」

あ、そうだったーというさして感情も篭っていない声を上げれば、三人はそそくさと業務に戻ってゆく。途中後ろ髪をひかれるようにしてこちらを
振り向いた隊士がいたが、彼女もまたすぐに仲間に加わって走っていった。

「・・・まったく」

再び静かになった庭に突っ立ちながら彼らがいなくなったことを確認すると、海燕はふうと大きなため息をぽつり、吐いた。



そしてそのままずんずん納屋まで進んで行き、建て付けの悪い木製の扉をがたがたと音を鳴らしながら開けて、中に居る人物に向かって声をかける。

「・・・見つかってましたよ、隊長。 隊長の思惑裏切って、めっちゃ心配してたみたいっすけど」

しかし集中のあまりその言葉が聞こえていない浮竹は何の言葉を発することもなかった。今彼が仕事をしている内容を唯一知っている海燕は、
さしてそれに気を咎めることなく、黙々と書類を書いている隊長の姿を見やりながら納屋の奥へと入り、そして誰の目に触れることの無いようにと
戸をしっかり閉める。浮竹の視線の先、机上には先日の悲劇―――海燕の憧れの的であった副隊長、相馬八峰の破面化について事のあらましを
書き連ねた報告書が何枚も置かれていた。隊員ひとりひとりまで心を配る優しい浮竹にとってみればあの事件は、思い出すだけでもつらいもので
ある筈なのにそこから逃げ出さずに、いやむしろしっかりと、悲壮なまでに身を窶しながら向き合う姿に、海燕は唇を噛む。

「墮破面(デヘネラード・アランカル)―――たいそうな名前ですね」

報告書、そして嘆願書に書かれた新しい破面の呼称―――無論これは浮竹が命名したものである―――を苦々しく呟けば、ようやく浮竹は海燕の
存在に気がついたようで、筆を休めて笑う。目の下にできたクマが痛々しい。

「お前も知っていると思うが、成体の破面は極々稀少にしか存在しない。 比較的初期の段階で俺達が潰しているし、なにより自然発生が
 難しいからな。
 だが―――・・・八峰の最期の言葉を教えただろう?」

ええ、と海燕は短く言って、それから浮竹が言わんとしていることを続けた。

「それを誰かが意図的に、『操って』いる。 既存の自然発生型破面とは全く別物の、人工的に創られた破面―――」

故に、名を墮破面という。破面本来の定義からも墮落(デヘネラード)した、新種の破面――――――・・・。
その時はまさに隊舎で仕事をしていたため、副隊長の姿を見ることはできなかった。ただ強い浮竹の霊圧の乱れを偶然感知して彼の元に駆けつけた
時には、もう遅かった。全てが終わった後だった。質量のある、どろどろとした・・・いわば内臓がそのまま液状になってしまったかのような
真っ赤な池が庭一杯に広がっていて、そこかしこにぶすぶすと音を立てて融けてゆく骨が散らばっていた。雨の土臭い匂いに混じって強烈な血の匂い
が立ち込めて鼻を狂わせていたことを今でも覚えている。その中心で隊長は白い己が髪を血色に染めながら慟哭に明け暮れていた。とにかく錯乱
しかけている彼をその場から遠ざけて、落ち着いてきたところで事情を聞いた。

ぐしゃり、と音を立てて、海燕は持っていた任命書をぐちゃぐちゃに握り締めた。

今は大分落ち着いてはいるが、あの時の様子は見るに耐えられないものだった。普段はどのようなことをしても温厚極まりない隊長が、大の男が、
怒りを露にして悲しみに打ちひしがれ、そして泣いていたのだ。その状況から考えれば彼が総隊長に今回の件を報告しにいくこと、そしてそれが
却下されればどうするかなんてこと、想像がついた筈なのに―――あの場にいれない事情があったとはいえ、己の不甲斐なさを痛感せざるを得ない。
あそこで俺が止めていれば、隊長は謹慎命令を受けることもなかったのに。悔やまれる。だが、こうなってしまったからには仕方ないことだ。
だがしかし・・・。
そのまま突っ立っていると、静かになった海燕に安心したのか再び浮竹は筆を取り、先の続きを書き始める。

「・・・謹慎中なのに仕事していいんですか」

情けないのは自分であるはずなのに、むくれたようにそう漏らせば、

「仕事じゃあ、ないよ」

浮竹はそう苦笑しながら微笑んで、しかし手を止めようとはしない。ごほごほと何回か咳をして、再び墨を走らせる。

「確かに仕事はしてはいけないと言われたけどな、これは仕事じゃあない。 ・・・なら、動いても構わんだろう?」

まるで何か、子どもが悪戯をするかのようにはにかみ、笑って。その横顔は痛々しいほどにやつれている。それなのにも関わらず、きらきらと
目は輝いているような気がした。

「大体―――この摂理を乱すような一大事を『仕事』と定義したくないし、するべきでもない」

「・・・・・・!」

「そうだろう――――――海燕?」


―――ああ、そうだ。隊長に、迷いなどないのだ。
隊長は・・・いや、浮竹十四郎という人間は、馬鹿みたいに雄大な人間なのだ。ちっぽけな自分などは過去の凄惨さや理不尽を嘆き足を止めて
しまうがしかし、彼は違う。確かに足を止めはするが、憤りもするが、それでも前へ進もうとする。進む、そう決めて、少しでも進んでゆくのだ。
様々な思いに流されて、その飽和状態で身動きできなくなっているのは自分のほうじゃないか。

なら、自分も前へ。

確かに恐怖は消えない。実際の光景を目の当たりにしなかった分、今度その光景を目の当たりにした時、我が崩壊しないという自信も保証もない。
だがその状況は恐らく浮竹も同じだ。いや、むしろ八峰を自らの手で処断した彼のほうがその恐怖は人一倍大きいはずであるのに、その当事者が
こんなにも前向きに構えて―――立ち向かっているのだ。浮竹のほうこそ、不安が大きいに違いない。
そう思うと悔しくて、叶わなくて、情けなくて、でも、不思議と底に這っていた勇気がめきめきと盛り返してくる。


「お前はまだ仕事があるんだろう? こんなじめじめして埃臭いところにいると身体に良くないぞ。 ・・・早く現場に戻――――――」

「―――どっかの誰かさんがッ!!」


あくまでも海燕の身を心配するような口ぶりを遮って、海燕は勢い良く言い放つ。
身体が弱いのは隊長の方じゃないか―――そう心の中で、情けない怒りを燃やして。


「どっかの誰かさんが無茶して謹慎なんてくらうからッ! 今、下の仕事量が増えて大変なんですっ。
 ・・・やっと手に入れた休みなんですから、有意義に使わせてくださいよ」


どかっと浮竹の近くに腰を下ろして、あたりに散らばっていた書類やら用具をがさがさ整理しはじめる。そのままぶっきらぼうに、
報告書をまとめる順番を聞き出せば、浮竹は最初驚いていたもののすぐに破顔した。素直じゃないなぁと思いながらも、彼はこの時
とても幸せだった。

そしてそのまま二人が静かに業務をこなしていると、なにやら外がざわついているのにふと気がついた。
・・・恐らく、折角の病欠という嘘が、先刻の隊士たちによってばれてしまったのだろう。どうしてで病気長期休暇を取っているはず
の浮竹がここにいるのだとか、『噂』の真偽はどうだとかで騒いでいるに違いない。そんな想像がすぐについてしまう様子に、海燕は
悪態をつく。戸の上にある、空気通しのための格子から中を覗き込もうと躍起になっているであろう死神を想像してそこを睨む。
気になってはいるのにもかかわらずしかし、彼らはなんの探りも入れようともせず、ただ好奇心で隊長の姿を『眺めたい』だけなのだ。
このまま外に出て行って散らすことも考えたが、少しでも中の様子を探られるのは気分が悪かった。

そのまま何の対処もせずに書類を書いていると、徐に戸が開かれた。


「っ!?」

「隊長、こんなところでお仕事してちゃあ身体壊しますよっ」

薄暗い屋内に入ってきた急激な光に、二人は目を眩ませた。そのうちにそそくさと隊士は納屋に上がりこんできて、周囲の戸をどんどん
開け放ってゆく。爽やかな光が取り込まれ、心地よい風が屋内を吹きぬけ、浮竹の白く長い髪を揺らす。
一体何なんだ―――困惑しながら伺っていると、それを皮切りにどんどん隊士たちがなだれ込んできた。


「隊長、この文書は何番隊へ持っていけばいいんですか?」

「副隊長が抜けてしまった分、俺達が隊長を支えないといけないですからね。 この硯、もうぼろぼろだから取り替えますよ」

「隊長、志波三席、私、お茶入れてきますねっ!」

「これはここにおいておけばいいですか?」


一体なにが起こっているのかいまいち把握できなくて、二人は目をぱちくりさせるばかりだ。辛うじて浮竹は指示を出すが、海燕はその
傍らで状況を飲み込むので精一杯だった。
ありえないことだったからだ。海燕は八峰のことを尊敬していたし、彼のことを知っていたから浮竹の今回の件にも協力したが彼らは、
一般隊士は特殊な存在であった八峰のことを嫌っていたはずだ。その上、一般隊士たちに今回の墮破面の件は未だに伏せているのだ。彼らが
それを知れば哀れみから協力することは考えられれど、しかしそれを知るはずも無いのに何故協力してくれるのか。海燕には解らなかった。
ただし浮竹自体は熱心に慕われているから、隊長を助けたいということで協力してくれているのか。そのくらいしか思い浮かばなかった。

だが、浮竹は海燕と違って、ある種の確信を抱いていた―――。


( 八峰 ―――――― 見てるか? )


皆皆、お前の本質を―――心を、嫌ってなどいなかった。皆は素直ではないから、なかなか協力の本当の理由を明かそうとはしてくれない
だろう。けれども、それでも少なくともお前のためにこうして働いてくれている。取り返しのつかないことになって、その悲劇が中途半端
だとはいえ明らかにされて、皆勘ぐり、そして悟り、自責して、働いてくれているのだ。心から嫌っていれば、動くはずもない。
彼らが本当に嫌っていたのは、弱さを自己に認めようとしない己だった。・・・それにも、気付かせてくれたんだな、お前は。

(まったくもって、お前は・・・俺の隊の副隊長だよ)

噂を聞きつけて沢山の隊士がひっきりなしにやってきた。皆海燕と同じような憎まれ口を叩きながら、それでもにぎやかに、和やかに、
皆で悲劇について考えて、向き合って、――――――進んでゆく。


( 相馬八峰 ―――――― ありがとう )



埃臭い納屋から見上げた空は、雲ひとつない快晴。



( さようなら。 また、会う日まで )



蒼穹に照れくさそうにもにっかりと笑った相馬八峰とその家族が、ゆっくりと融けていったような気がした。
























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*第五十六話でした。相馬家との決別ですが、ちょっと明るい閉めですね。

*さて、ようやく今回での能力の応用理論が完成したみたいですね、藍染さん。さすがです。←
 私のなかで藍染さんは浦原さんよりちょっと賢いというスタンスで書いている(うーむ、というよりか賢いの
 質がちょっと違うという意味ですが)ので、彼は難なくの力を解析・応用出来てしまう。という設定になって
 おります。
 次回でも書く予定ではいますが、しかし何故にそのような力が備わっているのかは未だ謎のままです。
 彼女は王族の娘。不貞子。両親の思惑のためだけに生かされ、政略結婚させられようとしている。それだけしか
 知らないという事実に藍染は、焦りますがしかし応用できれば何故かなどはとりあえず無視していいかと捉えて
 います。

 だけれども、本当に人を知る、ということにはならない。
 人の理解をしたいというポテンシャルに繋がるのは「怒り」もしくは「愛情」に端を発していると私は思います。
 故に、藍染さんの初期はを怒りを通して理解しようとしている。
 第二段階目にいたるには後者の感情の条件が要請されますが、果たして藍染さんがそのような感情を持ち合わせて
 いるのかは謎なままです。

*浮竹隊長の身を窶す姿と、そして浮竹隊長に対する海燕さんの素直じゃない態度。一回書いてみたかった!すっごく
 すっきりしました。
 そして隊員も皆素直じゃない。確かに彼らは八峰のことを嫌ってはいましたがね。ですが今回本文にもありましたように、
 嫌いだけれど、でも死んで欲しいとまでは思っていなかった。という感情、罪悪感がきっかけとなって動くようになります。
 皆、浮竹隊長のため!とは言っていますがね。そこらへんはまだ「弱さを認められなかった」隊員らしさということで。

*さて、またまたなにやら藍染サイドと浮竹サイドは関わらなさそうな感じがしていますね。ですがこれから関わって
 ゆくのでお楽しみに。
 WJ本誌で一護の家族の謎があきらかになるであろう今、藍染さんに万が一恋人やら思い人がいたとかいう後付が加わって
 しまわないかとヒヤヒヤハラハラドキドキしながら、怖いながらも執筆します。まじそれだけはカンベンなのですが、
 でもそれを見越しての初雪草篇構成をしましたので、まあ・・・まあ・・・・・・・・・
 ま、あ・・・・・・・・・・・・・・い、いいんです・・・・が・・・ね、ふふふ(泣)

 裏を返せば、と藍染をくっつけたがる私に再度、連載初期に描こうとしていた二人の距離感を思い出させてくれて
 ありがたい!と思うことにしたいと・・思い・・・・ます・・・・・・・orz


*では、また次回にお会いしましょう。



7:32 2010/11/23 日春琴